今回は、「フォーカス戦略」をテーマに、フォーカス戦略が必要な理由と、フォーカス戦略を取らない場合、どのようなリスクにつながるのか、パスファインダーズ株式会社 代表取締役社長 日沖さんにお話をお伺いしていきます。
専門分野を見つけ、その分野においてNo.1となることで、ビジネスとしての本質的な強みを発揮することができます。また、好循環が生まれるので、会社としても長期安定的な利益をつくることができるようになります。
私自身のコンサルティング人生においても、フォーカス戦略は主要なテーマです。
フォーカス戦略がないことで、ビジネスの悪循環が生まれてしまうリスクが大いにあります。
軸がない経営者は、色々な事業テーマが魅力的に見えて、戦略もないまま次々にトライしてしまうことがあります。結果として、どの事業においても競合に勝るものが無く、独自価値がない事業ばかり、という状態になってしまいます。
つまり、お客様からみて選ぶ理由がなくなってしまうんですね。この会社にお願いしなくては、という理由がないため、価格の問題になり、価格の安さで勝負することを余技なくされる。結果として、どの事業でも十分な付加価値を確保できなくなり、利益が生まれにくい体質になります。そのうち、会社として投資する余力がなくなってくるため、当然ながら、高い給料も支払うことができず、人材流出につながってしまいます。成長発展どころか、じり貧を余儀なくされ、会社として縮小。最悪の場合は倒産に向かってしまう可能性もあるのです。
フォーカス戦略を取らず、色々な事業に手を出すことで、結果的にビジネスとしての本質的な強みを発揮することができず、ビジネスの悪循環を生んでしまうリスクが大いにあります。そういったリスクに陥らないためにも、まずは1つの分野でのNo.1を目指し、ビジネスの好循環を目指しましょう。
【 日沖 博道(ひおき ひろみち)】大手コンサルティング組織にてシニアアドバイザー、統括パートナー、ディレクター等を務め、経営コンサルティングと事業会社経営を経験した後に独立。2012年にパスファインダーズ株式会社を設立。新規事業の開発・推進・見直しを中心としたコンサルティングを提供。