新規事業開発とは、自社が従来取り組んでいなかった事業に新たに取り組むことです。
社会構造の変化、消費者ニーズの多様化、テクノロジーの発展がめまぐるしく進む昨今。本業とは別に、新たな収益源をつくることで、未来に向けて安定した経営をしていきたいと考える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、この「新規事業開発」をテーマに、自社の価値を最大限発揮するためには、どのようなマインドセットで臨むべきなのか、更に新規事業はどのようなステップで進めていけばよいのかについて、パスファインダーズ株式会社 代表取締役社長 日沖さんにお話をお伺いしていきます。
まず、新規事業に取り組む際に必要な心構えは、“自社にとっては新規事業でも、その市場は既に他の企業にとっては既存事業であり、彼らには実績がある”、ということです(当たり前のはずですが、実際に製品・サービスの開発等に入り込むと、意外と競合に対する意識は段々と薄れてしまうものです)。そこに自社が飛び込む状況であるということをしっかりと念頭に置く必要があります。
新規事業開発には、大きく分けて6つのステップがあります。
①事業テーマの特定
まずは、“どんな市場で、何をやるのか?”を決めましょう。
世の中の流れや社会の動きを捉え、そこに対して自社の培った技術・顧客・ノウハウをマッチングさせた時に、どこにチャンスがありそうか?どういう市場であれば自社ならではの価値を出せるのか?という視点で考えていきます。
②ターゲットセグメントの特定
最初に決めた“〇〇にチャンスがありそう”という仮説を具体化し立証していきます。
市場にどんなお客がいて、どんなニーズがあるのか?それに対して競合はどんなことをやっているのか?を調査し、まだ満たされていないニーズを発見し、自社のほうが価値が出せるセグメント市場(特定の切り口で細分化された、市場の一部)を特定します。
③事業構想の構築
ターゲットとするセグメント市場において、どういう勝ち方ができるのかという戦略仮説を定めていきます。その際に最も大事な視点は『選ばれる理由』、すなわち顧客視点での「決め手になる、自社独自の価値は何か」をはっきりさせることです。
その戦略仮説に基づき、より具体的なマーケティング戦略を立てるには4Pや4Cといったブレイクダウンの型があるので、それに沿って戦略策定をしていくことができます。そもそものビジネスモデルから策定・刷新する必要があるのかを含めて、事業をどういう形で行っていくのかを定めていきます。
④事業仮説の1次検証
これまでの仮説を検証していきます。
ターゲットとする市場や事業に詳しい専門家や顧客候補に対して、事業の構造がどうなっているのかをヒアリングすることで、仮説(いわば机上)で考えていた前提や環境条件などで間違っている部分を修正しながら、ブラッシュアップしていきます。
⑤試作・試行での2次検証
実際の市場に対して、試作・試行をしてみます。
例えば製造業やソフトウエア事業であれば、モノやソフトの試作品をつくって世の中に出してみる、ということです。顧客候補のごく一部に使ってもらい、その反応をみることで、本当に自分たちの考えが正しいのかを検証します。そして顧客ニーズとのズレを見つけたら素早く修正を繰り返すことで、仮説のレベルを上げていき、確信を持つことができたら、いよいよ本番展開をします。
⑥本番展開
「新規事業開発」を行っていくうえでは、この6ステップをきちんと踏むことで、自社の価値を最大限発揮していけるようになります。
【 日沖 博道(ひおき ひろみち)】大手コンサルティング組織にてシニアアドバイザー、統括パートナー、ディレクター等を務め、経営コンサルティングと事業会社経営を経験した後に独立。2012年にパスファインダーズ株式会社を設立。新規事業の開発・推進・見直しを中心とした戦略コンサルティングを提供。